石綿暴露 元請け 飛散性否定 廃棄物含有は認める


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 【中部】うるま市の米軍キャンプ・コートニー内の高層住宅改修工事で、アスベスト(石綿)の存在が把握されないまま工事が行われた問題で、県は19日、元請け会社を呼び、石綿を含む廃棄物の処理について事情を聴いた。県によると、元請け会社は廃棄物に石綿が含まれていたことを認めた上で、県内で処理できる飛散性のないものだったと説明したという。

 一方、下請け業者によると、石綿は配管部分の保温剤として使用されていた。通常、石綿保温剤は飛散の恐れがあるため、元請け会社の主張と食い違いをみせている。県は近く、下請け業者にも事情を聴く。
 県が事実関係の解明に向け、業者を呼び出したのは初めて。元請け会社は県に対し、工事現場から排出された廃棄物は飛散性のない「石綿含有廃棄物」だったと説明したという。「石綿含有廃棄物」は、県内業者が処理できる。
 工事関係者によると、工事終了後の調査で検出された石綿はクリソタイル(白石綿)で、配管部分の保温剤に使用されていた。廃棄物処理法で、石綿保温剤は特別管理産業廃棄物の「廃石綿」に該当し、処理できる県内の業者はない。
 県と読谷村は19日、廃棄物が処理された同村内の処理場を訪れ、現場を確認した。