FC琉球、栃木に1―2 JFL第23節


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FC琉球―栃木ウーヴァFC 試合終了後、スタンド前で一列に並び、深々と頭を下げるFC琉球の選手たち=4日、県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 日本フットボールリーグ(JFL)第23節は4日、各地で4試合を行った。FC琉球は“全島サッカー1万人祭り”と題し、県総合運動公園陸上競技場で栃木ウーヴァFCと対戦。観客1万116人が訪れたが、1―2で敗れた。

開始4分で先制した琉球は、前半終了間際にオウンゴールから失点。さらに後半35分にもショートカウンターから追加点を奪われた。順位を8位に落とした。琉球の次節は10日、宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場でホンダロックSCと対戦する。

栃木ウーヴァFC 5勝15敗3分(18)
2―1(1―1,1―0)
FC琉球 9勝8敗6分(33)
▽得点者 【栃】OG、濱岡【琉】我那覇

 【評】立ち上がりにボール保持率の高いパスサッカーを展開した琉球は、前半4分にDF河端和哉のポスト跳ね返りをFW我那覇和樹が押し込み先制。前半終了間際に得点を許し1―1とされた。後半は、前のめりになった隙を突かれ、35分に失点した。(仲本文子)

◆アピールできた
 宮城雅史(具志川高―駒澤大―栃木ウーヴァFC)の話 プロとして沖縄のピッチに立ったのは初めて。久しぶりの地元で舞い上がってしまった。県外で活躍していることをアピールできたと思う。

◆1年前の悪夢再来/“1万人”に応えられず
 1年前の悪夢が再来した。“全島サッカー1万人祭り”と題した同節は、勝利の喜びを分かち合おうと1万116人の観客が押し寄せ、その瞬間を待ちわびた。
 ホーム初出場のMF久場光や、FW高橋駿太、DF砂川太志も一丸となったプレーで何度も好機を演出した。開始4分で河端のポスト跳ね返りに素早く反応した我那覇が先制点を奪うと、圧勝の予感すら漂った。
 しかし、後が続かなかった。次第にパスの精度が落ち、攻撃も単調になり始めた前半終了直前、ゴール前の混戦から失点。同点に戻された後半、今度は足が止まり、さらに得点を許した。
 試合終了間際、薩川了洋監督は着用していたビブスを地面にたたきつけ、感情を爆発させた。イベントの成功を願って駆け回ったフロントや、気温35度を超える猛暑の中訪れた観客の気持ちを代弁しているようにも見えた。
 試合が終わると選手らは一列に並び、残念な結果をわびるように深々と頭を下げたが、観客の一人は「良かったのは最初だけじゃないか」とつぶやいた。
 今季は残すところあと11試合。今後、念願のJ3の舞台も見据える。新たなステージを前に、この敗戦が琉球の糧になることを願いたい。
(仲本文子)