米軍ヘリ墜落同型機きょう飛行再開 防衛相は容認


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 【東京】米空軍嘉手納基地は16日、宜野座村で5日に発生したHH60救難ヘリ墜落事故から見合わせていた同型機の飛行を再開する。6機による通常の運用体制に戻る。

小野寺五典防衛相は15日の記者会見で、訓練再開に理解を示したが、事故原因の究明がされていない中、墜落からわずか10日余りでの再開に県や関係自治体は依然強く反発している。
 小野寺氏は会見で外務、防衛両省の職員や自衛隊員が嘉手納基地の整備場で説明を受けたことに触れ「米側として安全性の対策を講じた」と飛行再開を容認する考えを示した。
 一方でアンジェレラ在日米軍司令官に、HH60を含む米軍機の安全対策の徹底を申し入れたことを紹介し「これまで以上に公共の安全に妥当な考慮を払うよう申し入れた」と強調。米側に求めている事故原因の究明については、「米側が報告書をまとめる中で具体的なことが表に出てくる」と述べるにとどめた。
 菅義偉官房長官は15日の会見で「地元の懸念を十分に踏まえ、引き続き米国に対し万全の安全対策、事故原因の究明を求めていきたい」と述べた。
 一方、県側は「県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない」(高良倉吉副知事)として原因究明までの訓練中止を重ねて求めており、県議会も同様の決議を全会一致で可決している。