FC琉球、天皇杯切符 海邦銀行SCに2―0


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決勝 FC琉球―海邦銀行SC 後半24分、2点目のゴールを決めるFC琉球のMF棚橋雄介(右から2人目)=25日、沖縄市陸上競技場(渡慶次哲三撮影)

 サッカーの第93回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)の都道府県代表決定戦は25日、各地で行われ、Jリーグ準加盟で来季発足のJ3入りを目指す日本フットボールリーグ(JFL)のFC琉球や、ブラウブリッツ秋田、長野パルセイロなどが勝ち上がり、出場88チームが出そろった。

高校勢は羽黒高(山形)米子北高(鳥取)高松商高(香川)鳴門高(徳島)が出場する。
 1回戦は31日、9月1日に行われる。FC琉球は31日、県総合運動公園陸上競技場で島根代表のデッツォーラ島根と初戦を行う。午後3時キックオフ。
 2連覇を狙うJ1柏などJリーグ勢は2回戦(9月4、7、8、11日)から登場。決勝は来年1月1日に東京・国立競技場で行われる。

FC琉球
2―0(0―0,2―0)
海邦銀行SC
▽得点者 吉田、棚橋(以上琉)

◆内容は満足していない
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 勝つことが第一だったけど、内容は満足していない。後半はもう少し得点できても良かった。天皇杯はカテゴリーに関係なく格上のチームに挑戦できる大会なので、勝ち負けはもとより、しっかり戦っていろいろ学びたい。

◆前半苦戦も底力発揮/永井投入で機能
 前半、FC琉球は、格下の海邦銀行SCに苦戦を強いられた。ボール支配率を高めるサッカーを目指して細かくパスを回すが、要所でミスが出て得点につなげない。逆にカウンターを狙われるなど、ヒヤリとする場面も多々あった。
 0―0で迎えた後半。均衡を破ったのは、17分に投入されたMF永井秀樹だった。チーム一の技術力を誇る42歳のベテランが中盤でパスを回し始めると、ようやくチームが機能し始めた。
 21分にFW我那覇和樹のアシストを受けたDF吉田正樹が、公式戦で初のゴールを決めると、わずか3分後にも、MF棚橋雄介も負けじと右足でネットを揺らした。
 本来の実力でもぎ取った全国への切符だが、永井は「前半はどっちがJFLなのか分からない試合だった」と厳しい表情。「天皇杯はJリーグのチームと試合ができるまたとないチャンス。強い相手と戦って、学ぶべきことを学びたい」と、目先の結果にはこだわらずチーム力の底上げを狙う。
 次週の天皇杯初戦は、ホームで島根代表を迎え撃つ。薩川監督は「甘い試合にはならない。しっかり勝っていきたい」と、気持ちを引き締めた。(仲本文子)