オスプレイ事故 機体大破、米軍「最も重大事故」


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 【ワシントン29日=島袋良太本紙特派員】米ネバダ州で現地時間26日(日本時間27日)に米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗した事故で、米海軍安全センターは29日までに事故の規模を最も重大な「クラスA」に分類し、機体は大破したと評価していることが琉球新報の調べで分かった。

26日の事故について、事故機が所属する海兵隊ミラマー基地は「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」だったと説明しているが、乗員の避難後に機体が炎上し、大破するほど衝撃が大きかったことが今回の評価でも裏付けられ、事故が墜落だった可能性が一層高まった。
 一方、ことし6月に米ノースカロライナ州で発生し、米海兵隊が直後に「機体の一部が焦げた」と説明していた別のオスプレイ事故についても、同センターはクラスAに分類し、機体は大破したと評価していたことが明らかになった。
 オスプレイはこの3カ月で機体が大破する2件のクラスA事故を起こしている。だが米軍はいずれも事故が小規模だったとも取れる説明をしていたことになる。
 オスプレイの価格は1機6千万ドル(約59億円)程度。6月の事故は着陸時にオスプレイ特有の高温の排気で未舗装の地表が燃えて発生したもの。同センターの算定によると被害額は6300万ドル(約62億円)に上り、機体1機以上に相当した。
 クラスAの事故をめぐって米海兵隊は2009年、対象を「100万ドル以上」から「200万ドル以上」に引き上げた。その結果、従来の算定方法なら10万飛行時間当たり3・98となるオスプレイの事故率が、海兵隊平均の2・45を下回る1・93に下がった。この数字を根拠に米海兵隊はオスプレイを「最も事故率が低い航空機」などと説明してきた経緯もある。
 米海軍安全センターの報告によると、26日にネバダ州で起きた事故は、低視界条件下での着陸練習の最中に発生した。