オスプレイ 防衛相、安全性を強調 共同訓練 滋賀、高知、岩国で


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 【東京】小野寺五典防衛相は6日の記者会見で、米ネバタ州で8月26日に発生した海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸失敗事故について米側から「砂漠で視界の悪い場所での着陸訓練中に起きた」と伝えられたことを明らかにした上で、事故後も運用されているとして安全性は問題ないとの認識を示した。

 日米両政府が10月に滋賀、高知両県で普天間基地所属のオスプレイを使用した共同訓練を行うことも正式に発表した。昨年10月の配備後、沖縄以外の日本国内でオスプレイを使用した共同訓練は初めて。山口県の岩国基地も使用する。
 事故については米国から砂漠で砂を巻き上げた視界の悪い状態で行う着陸訓練中に発生したことや最も重大な事故の「クラスA」(死者の発生や200万ドル以上の損害)に分類したこと、再発防止に努めていることなどの説明があったと報告した。ただ事故原因に関する情報提供はないという。
 その上で安全性について「米ホワイトハウスで使用されている機体を含め、(事故後も)運用が継続されている」と述べ、共同訓練にも影響はないとした。
 共同訓練に対しては「沖縄の負担を本土にも分散するという視点から検討してきた」と説明。基地負担軽減につながるとの認識を示し、県外での訓練を増やしていく考えを強調した。
 防衛省は6日、滋賀、高知両県など関係自治体に訓練内容を説明し、理解を求めた。滋賀県では高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で10月上旬から中旬に、海兵隊との戦時想定の定期訓練を実施する。上空で停止しているオスプレイから隊員がロープで降下し、陸上に展開する「ヘリボーン」と呼ばれる訓練を予定する。
 高知県では南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練の一環として、10月下旬に香南市内の自衛隊施設や同県沖で、海上自衛隊護衛艦も投入して、けが人の搬送や物資の輸送などの災害対応訓練を行う。