県系女性に国籍 申請から38日 スピード決定


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知念ノルマさん

 太平洋戦争の混乱でフィリピンに残された県系2世の知念ノルマさん(71)について、東京家裁は6日、ノルマさんが7月31日に申し立てていた日本国の戸籍をつくる就籍を認めた。フィリピン残留邦人支援団体によると、通常は就籍に数年を要する。わずか38日での決定にノルマさんは「幸せな気持ちでいっぱい」と喜んでいる。

 ノルマさんは勝連村(現うるま市)津堅出身の知念常保さんの長女。NPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)の調査で身元が明らかになった。PNLSCと日本財団の共同事業で7月に初めて来県して親族と面会し、その後東京家裁で就籍を申し立てていた。
 両団体は2006年から就籍を支援しており、申し立てから許可までの最短はこれまで約半年だった。ノルマさんへの決定は従来より飛躍的に短縮された。PNLSC事務局の高野敏子さんは「非常に画期的だ」と話し、許可に向けた今後の手続き迅速化を期待した。
 就籍が許可されノルマさんは「日本人として認められることが長年の夢だった。今、心が安らぐのを感じている」と語り、支援者らに感謝した。いとこの冨里元太郎さん(55)=西原町=は「これで正式に親族になれた。本当に良かった」と話した。