「女王」強烈な存在感 でいご座 仲田幸子一行


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正気を取り戻したお宮(仲田まさえ、中央)に喜ぶ母(仲田幸子、右)と貫一(左、高宮城実人)=15日、那覇市民会館

 「劇団でいご座 喜劇の女王 仲田幸子一行 敬老の日特別公演」(沖縄テレビ主催)が15日、那覇市民会館で開かれた。現代歌劇「沖縄版貫一お宮」(仲田龍太郎作)など、でいご座らしい泣き笑いの舞台で魅せた。座長の幸子が、そこにいるだけで笑わせる強烈な存在感を放った。

 「貫一お宮」は、貫一(高宮城実人)の恋人であるお宮(仲田まさえ)に、金持ちの富山(春洋一)が横恋慕する。お宮の母親(幸子)はお金に目がくらみ、お宮を富山の嫁にやってしまう。歌手としても活動するまさえは、よく通るきれいな歌声を聞かせた。
 富山からぞんざいに扱われ、お宮は気が触れてしまう。悲痛な場面だが、幸子が何を言ってもおかしいので、観客は泣いたり笑ったりと忙しい。お宮は貫一と再会して正気に戻る。笑いながら目頭を押さえる観客の姿に、不世出の「喜劇の女王」の力を見た思いがした。幸子は昨年転倒して神経を痛め、4月に手術を受けた。舞台ではけがをしていた様子をみじんも見せず、役者の魂を感じた。