FC琉球の準加盟承認 Jリーグ理事会


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 Jリーグは17日の理事会で、来季発足のJ3入りの前提条件となるJリーグ準加盟に新たにFC琉球を含む7クラブを認めた。準加盟済みの日本フットボールリーグ(JFL)のブラウブリッツ秋田、SC相模原、長野パルセイロにはJ3ライセンスの交付が決まり、初年度からの参入に大きく前進した。

新たな準加盟はJFLの福島ユナイテッド、藤枝MYFC(静岡)と地域リーグのヴァンラーレ八戸(青森)、tonan前橋、アスルクラロ沼津(静岡)、奈良クラブ。準加盟はJFL10、地域リーグ6の計16クラブとなった。JFLの栃木ウーヴァ、MIOびわこ滋賀、地域リーグのFC鈴鹿ランポーレ(三重)は9月までの準加盟が認められず、来季のJ3参加は断念する。

◆J3参入は県民の悲願/関係者期待膨らむ
 FC琉球は17日午後、那覇市の同事務局でJリーグ準加盟承認報告会見を行った。予定から約2時間遅れてJリーグからの「吉報」を受けた下地良代表取締役は「満場一致で準加盟審査を通過したと連絡がありました」と、笑顔で話した。
 Jリーグ・J3準備室の岩本暢氏は「運営会社の経営体制を一新した姿勢が評価された。今後は地元経済界も一丸となって支援していく必要がある。これから確実にJ3への審査段階をクリアしていってほしい」と、話した。
 下地代表取締役は「承認されてほっとしている。次の段階では財務面の強化や練習場の確保なども審査されるので、気を緩めず取り組みたい」と抱負を述べた。
 仲井真弘多知事は「Jリーグチームの誕生は県民の悲願でもあり、FC琉球がJ3参入となれば、これまで以上に県民に夢と希望を与え、地域活性化につながる」と期待を寄せた。
 県サッカー協会の具志堅朗会長は「ずっと待っていた結果が出た。毎回書類などで協力してきた経緯もあるので、協会一同喜んでいる」と喜びを語った。
 ホームタウン沖縄市の東門美津子市長は「県内初のJリーグチーム誕生に向けて、大きな第一歩となった。引き続き支援したい」とコメントした。

◆11月に最終審査
 “三度目の正直”でJリーグ準加盟が承認されたFC琉球は、念願のJ3参加までの第一段階をクリアした。しかし、これで来季からの参加が決定した訳ではない。FC琉球が正式にJ3クラブとして認められるまで、あと二つのステップをクリアする必要がある。
 今回承認に至った「準加盟審査」とは、Jリーグに参加するための最低基準で、これによりFC琉球は正式なJリーグ関連クラブとして認められたことになる。
 次のステップは2点ある。一つ目の「スタジアム要件」は、2015年に改修が終了する予定の県総合運動公園陸上競技場がJ2規格を満たしているので、問題なく承認される見通し。二つ目の「J3ライセンス」は、来季からJ3への参加を希望するクラブが取得する資格で、現時点の運営がJリーグの要求する基準を満たしているかを問われる。琉球は二つとも一部の資料を提出しており、10月のJリーグ理事会で各合否が決定する。
 最終ステップは「J3入会審査」という宣誓書のようなもので、1シーズン当たりの具体的な予算などをあらためて審査すると同時に、ホームタウンなどの関係各所へJリーグが最終的な意思確認を行う。
 最終ステップの審査は11月の理事会で、これが認められれば、FC琉球は来季から晴れてJ3のクラブとなる。

準加盟承認の報告を電話で受け、笑顔の下地良代表取締役=17日、那覇市のFC琉球事務局