繋ぐ。HYの踏み出した新たなステージは、1200キロの空間を越える。ソウルから迎えたDELISPICE(デリスパイス)との魂の響き合い。国籍や言語、習慣の違いを越え、人を繋(つな)ぐ。音のうねりは空気を揺さぶり、聞く者の心を揺らし、人の間を繋いでいく。
音楽に正対することで通じ合うアーティストとファン。心で向き合うそのさまは、言葉を超えた力を持つ。立ち現れるのは海峡で波立つ偏狭な理屈とは無縁の、圧倒的な色彩。個が手を取って人間となり、未来を生む。個を繋ぐのは音楽、ステージに描かれるのは希望だ。
CONNEXION Vol.3。20日、ミュージックタウン音市場。ロックを結節点に、韓国と沖縄を繋ぐ。主催は音市場。
5月にソウルでHYを迎えたDELISPICEがゲストとなり、沖縄のファンに縦横無尽のサウンドを体感させる。音を共有する体験に日本語を交えたMCが加わり、ステージと客席に溝はない。
HY。クロスする歌声。仲宗根泉、新里英之が楽曲を立体的に描く。信じていればきっと伝わる。まっすぐなメッセージは、歌声の調和で説得力を獲得する。多彩な旋律を形にし、演奏に幅を持たせるのは宮里悠平のギター。サウンドを下支えするのは力感あるドラム、存在感を示すベース。晴れやかな表情で汗を散らす名嘉俊、クールな許田信介のプレースタイルも、演奏に味わいを加える。
「いちばん近くに」「隆福丸」「366日」。2000年の結成から13年、東屋慶名から世界をまたいだ彼らの原点とも言える「ホワイトビーチ」で、会場の熱気は頂点。世界を志しながら「もっとローカルに」を理念として設立した新レーベル「ASSE!! Records(アッセ!!レコーズ)」から10月1日に配信する「エール」などの新曲も演奏。「帰る場所」は琉球國祭り太鼓と共演した。
軸足は沖縄に置く。視野は世界へ向ける。そこから紡ぎ出される音楽に海峡はない。自在な音は人を引き付け、繋いでいく。(宮城隆尋)
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