放課後クラブ「待機児童」668人 那覇市が需要調査


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 児童クラブ需要の把握などを目的として那覇市こどもみらい部は14日までに、市内全小学生を対象に実施した「放課後アンケート」の結果をまとめた。

アンケートでは帰宅時に家に誰もいない児童が31・2%、児童クラブを利用している児童が16・3%、親が不在でクラブ利用を希望しているが利用できない児童が5・7%いる。全体で22%の需要があり、現在の登録児童数から計算すると、少なくとも668人が児童クラブの潜在的待機児童といえることが分かった。
 厚生労働省によると「放課後児童クラブ」は保護者が昼間家庭にいない小学校などに通う児童が対象で、遊びや生活の場を提供し健全育成を図る事業を指す。規模は40人程度を目安に最大70人としている。那覇市が補助金を交付する児童クラブは5月1日現在で48カ所、2437人の児童が登録している。
 アンケートは市内全小学生2万1063人の保護者を対象に実施した。うち67%の1万4117人から回答があった。
 アンケートによると、下校時に誰か家にいる(いるときが多い)家庭は60%、誰も家にいない(いないときが多い)家庭は31・2%だった。
 児童クラブを実際に利用している児童は16・3%、利用していない児童は77・8%だった。利用していないと回答した児童1万976人のうち、下校時に「誰もいない」利用希望者は5・7%、現在の利用者と合わせた児童クラブの需要は22・0%になる。2437人の利用者から差し引くと668人が帰宅時に家庭に誰もおらず児童クラブに通えていない「児童クラブの潜在的待機児童数」といえる。アンケートに回答をしていない人数も勘案すると、さらに数は多くなる。
 市こども政策課によると、補助対象の児童クラブは2013年度に五つの交付団体が増え、次年度も5~6団体増やす予定で2700人程度の受け入れ人数を確保することになる。児童が帰宅時に「誰もいない」家庭の待機児童を埋めていく計画だ。
 アンケートは一括交付金を活用したもので、2月に実施し、3月までにまとめていた。「保育料を引き下げてほしい」など、児童クラブ利用者が児童クラブに望む調査結果については6月30日の児童クラブ会長会で伝えられた。