民俗舞踊基に創作 本盛秀 芸歴50周年公演


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「赤馬節」を踊る本盛秀初代会主(右から4人目)、本盛美奈子二代目会主(左から3人目)ら=6日、那覇市民会館

 秀風会本盛秀八重山民俗舞踊研究所の第16回発表会「秀風ぬ伝統(くくる)」が6日、那覇市民会館で開かれた。県指定無形文化財「八重山伝統舞踊」保持者・本盛秀の芸歴50周年と、那覇研究所開設10周年を記念した公演。

今年は秀の娘美奈子の二代会主襲名も重なり、次代への継承を前面に打ち出した舞台となった。那覇と八重山の弟子42人が踊った。
 秀は「むかし風から新しさを求めて」を指針に、島々に伝わる舞踊を掘り起こし、それを舞台芸能に仕立てた作品を生み出してきた。「先生は島々の人々」と語り「八重山民俗舞踊」という呼称にこだわる。
 6日の公演は、秀風会の礎と位置付ける創作「秀風ぬ踊」で幕開け。今年89歳を迎えた秀は16題中3題を踊った。「赤馬節」は、秀と美奈子の女踊と、弟子たちの若衆踊を組み合わせた。フィナーレの「六調子」は本来は思うままに踊るが、秀風会は独自の群舞に構成している。弟子たちの群舞に続き、秀が軽やかな一人舞を披露。踊る喜びにあふれた若々しい笑顔で観客を魅了した。客席に背中を向けて踊る場面は、粋な雰囲気と年齢を感じさせない力強さがあった。
 弟子たちが踊った「与那国ぬまやー小」は愛嬌(あいきょう)のあるしぐさで沸かせた。舞台から去るときに客席を振り向くのは猫の習性を基にしており、鋭い観察力をうかがわせた。