下村文科相「ルール守るべき」 県教委に是正要求指示


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 【東京】下村博文文部科学相は18日、八重山採択地区協議会が答申した中学公民教科書と別の教科書を採択した竹富町教育委員会の決定が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう県教育委員会に指示した。政府が地方自治法に基づいて教育行政に是正要求を発動するのは初めて。下村氏は「再三にわたって指導、助言をしてきた。法治国家としてのルールを守ってほしい」と述べた。

 是正要求をした場合、自治体側に対応を見直す義務が生じるが、従わなくても罰則はない。
 竹富町が拒否した教科書は保守色が強い育鵬社版。育鵬社版の教科書は沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどの批判がある。
 下村氏は「来年度以降、同じ問題が起こらないように法律の明確化を併せて検討したい」と述べ、無償措置法を改定する考えを示した。
 一方、県義務教育課は文科省教科書課から同日午前、メールで是正要求の文書を発送したとの報告を受けた。23日に開かれる教育委員会の会議で県の対応を協議する。諸見里明県教育長は18日、「文科相からの是正要求の指示は残念な思いだが、重く受け止める」とのコメントを発表した。
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