10年ぶり「大城大軍」 独自の組踊、本番へ稽古に熱


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本番さながらの練習に熱を入れる区民=14日、南城市大里字大城

 【南城】戦前から南城市大里字大城区独自の村芝居として上演されてきた組踊「大城大軍」が20日、10年ぶりに上演される。14日にはリハーサルがあり、本番さながらの熱のこもった稽古が行われた。

同区では組踊と大綱引きを5年おきに交互に実施しているため、次回の上演は10年後となる予定だ。
 「大城大軍」は大城を舞台にしたあだ討ちの物語。島添大里按司と戦って敗れた大城按司の子・若按司が、佐敷按司の協力を得て島添大里按司を倒す内容となっている。
 1946年まで毎年上演されていたが、戦後の混乱などもあり、途絶えていた。台本が見つかったことをきっかけに89年、43年ぶりに復活した。その後、数回上演されている。
 玉木勇夫区長は「この区だけにしかない特別な組踊だ。若い人にもしっかり継承し、大切にしていきたい」と話した。
 若按司を演じる島袋裕司さん(34)は「緊張してしまって今日の出来は百点満点中60点ぐらい。本番までにはせりふなどをしっかり覚えて完璧にしたい」と気持ちを引き締めた。
 20日は集落センター前広場に設営された舞台で、午後6時から子ども会によるエイサーなどがあり、組踊は同7時から上演される。