沖縄文化協会賞、田場氏ら4氏受賞 民俗研究など評価


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 【東京】沖縄学の研究者を対象にした第35回沖縄文化協会賞が19日、東京都新宿区の早稲田大学で発表された。比嘉春潮賞(歴史・民俗)に県立芸術大学付属研究所共同研究員の田場由美雄氏(59)=那覇市在住、仲原善忠賞(文学・芸能)に国際基督教大学上級准教授のマット・ギラン氏(41)=東京都在住、金城朝永賞(言語・人類)に琉球大学准教授の石崎博志氏(43)=那覇市在住=が選ばれた。

第35回記念の特別賞はフリーライターの田中水絵氏(65)=東京都在住=が受賞した。
 授賞式は11月30日午後1時から早大大隈会館で開かれる。
 田場氏は沖縄の民俗思想を解明し、特に芸能集団「ニンブチャー・チョンダラー」の研究や県内の市史編集作業が評価された。田場氏は「賞を励みに沖縄の精神文化を研究していきたい」と抱負を語った。
 ギラン氏は歌三線を楽譜で表記したほか、表記が難しい微妙な音階やリズムを科学的に明らかにし、沖縄音楽研究の新たな可能性を開いたことが評価された。ギラン氏は「沖縄の豊かな音楽文化と出会い、研究することができて光栄に思う。これからも世界に発信し続けたい」と喜んだ。
 石崎氏は中国の官話資料や漢語方言学を駆使し、琉球語音韻史の解明に取り組んだことが評価された。石崎氏は「とても光栄に思う。琉球語の全体を構築していきたい」と意気込んだ。
 田中氏は宮古島研究の先駆者であるニコライ・ネフスキー氏に関する研究が評価された。田中氏は「まだ日本で紹介されていない研究資料がある。伊波普猷氏や宮古島の人々とのつながりをはじめ、研究資料を伝えていきたい」と力を込めた。

田場由美雄氏
マット・ギラン氏
石崎博志氏