県警「サイバー補導」開始 児童の性被害防止へ


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出会い系サイトに関係した被害児童数の推移(県内および全国)

 県警は21日、従来の街頭パトロールではネット起因による福祉事犯の児童被害防止が困難として、サイバー補導を始めた。少年課や少年サポートセンターなどが連携して補導に当たる。県警が態勢を整えてサイバー補導を実施するのは初めて。

スマートフォンなどの普及により、ネットを介して、児童が性犯罪などの被害に遭うケースが増加傾向にあることを重くみた。補導は全国一斉の取り組みで、掲示板などを警察官が閲覧して援助交際などを求める書き込みをした児童を補導する。
 県警サイバー犯罪対策室によると、県内でことし6月末までにネットを介して18歳未満の児童が被害に遭った福祉事犯の検挙数は15件あり、昨年同期と比べ4件増えた。被害に遭った11人の児童が全て携帯電話を通じての被害だった。
 同対策室によると、全国的な傾向として、出会い系サイトによる児童の被害は減少傾向にあるという。出会い系サイト規制法が2009年に改正され、年齢確認が厳格化したことなどが影響している。
 一方、県内では依然として出会い系サイトによる被害が多い傾向が続いている。ことし8月には、中高生9人を含む18歳未満の少女13人に、出会い系サイトなどで募った客を相手に売春行為をさせていたとして、児童福祉法違反容疑などで男女5人が摘発された。県警は金もうけなど「児童を道具として利用する大人の存在が多いのではないか」と問題視している。
 県警は、親子間で頻繁にコミュニケーションを取ることや、子どもが持つスマートフォンなどにフィルタリング機能をかけるなど、保護者の積極的な対策も呼び掛けている。