ミストで熱中症対策 那覇市、発生機導入へ


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移動式ミスト発生機を楽しむ子どもたち。幼稚園などには同型機が導入される予定だ=19日、那覇市のさいおんスクエア前

 夏場の熱中症対策のため、那覇市は市内の幼稚園36カ所と保育所9カ所、児童館4カ所の計49カ所にミスト(霧)発生機の導入を計画していることが分かった。一括交付金を活用し、総事業費1155万円で、2014年3月までには各施設に導入したい考えだ。

市こども政策課は「夏場でも元気に外で遊んでほしい」と効果に期待した。
 9月の予算決算常任委員会で上原快佐氏(社大)の質問に、澤岻郁子こどもみらい部長が「ミスト発生機の導入は熱中症対策として十分効果が期待できる」と答えた。
 ミスト発生機は微細な霧を飛散させることで周囲の温度を冷却する効果があり、暑さ対策や快適性向上が期待できる。導入予定の移動式ミスト発生機は1日8時間の利用で水道代44円、電気代70円程度で使用できるという。
 市上下水道局企画経営課は2012年7月から12月まで各地でミストの実証実験を実施した。ミストを利用した保育所と小学校の85%がミストを評価し「今後も使いたい」と回答している。好意的な意見に「熱中症が増えているのでいいアイデアだ」「エコに寄与できる」などがあった。
 否定的な意見は「ミストが気に入って掃除に集中しない」(小学校職員)「出しっ放しやいたずらで管理面に課題があった」(同)などがあった。
 昨年8月ごろに実験的にミストを園庭に導入した久場川保育所の宮城たつ子所長は「霧は雨でぬれるのと違って心地よく、子どもたちは喜んで元気に遊んでいた。夏場の炎天下で遊ぶには日差し予防ネットなども必要だが、ミストは有効な手段だ」と評価した。
 那覇市安里のさいおんスクエア前では7月から毎週末にミストを導入した。さいおんスクエア統括管理責任者の謝敷弘通さんは「子ども連れが『気持ちいいー』と喜んでくれて好評だ。機械の使用方法も簡単だ」と話した。