表情豊かな声楽の魅力 山田健


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オーケストラを背後に歌声を響かせる山田健=12日、うるま市民芸術劇場響ホール

 声楽家(バリトン)の山田健のリサイタル「華寿に歌う」が12日、うるま市民芸術劇場響ホールで開かれた。カンツォーネや宮良長包の歌曲を歌い、山田の音楽のルーツだけでなく、自身を育んだ沖縄への思いも表現。室内楽オーケストラ(高宮城徹夫指揮)との共演でも奥行きのある歌声を響かせ、故郷の人々に感謝とともに声楽の魅力を伝えた。

 第1部は長包の「赤ゆらの花」「オランダ屋敷」、小林秀雄の「落葉松」、ララの「グラナダ」など、洋の東西を問わない歌曲で構成。大城英明のピアノ演奏に乗せ、表情豊かな歌声を響かせた。第2部はオーケストラと共に奏でる。ヘンデルの「メサイア」の序曲「シンフォニア」で幕を開く。20人編成のオーケストラが奏でる音色と厳かな歌声を調和させた。オペラアリアも多彩に聞かせ、来場者の拍手に包まれた。司会は黒島舞季子が務めた。