沖縄市工芸の郷 県内最大級の体験室も


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多様な工芸産業を集積する生産拠点の形成と振興を図る「沖縄市工芸の郷」(仮称)の完成予想模型

 【沖縄】沖縄市(東門美津子市長)は21日までに、多様な工芸産業の生産拠点化と振興を図るため、「沖縄市工芸の郷」(仮称)の整備に向けた基本構想・計画案を策定した。

200人規模の受け入れが可能な県内最大級の工芸体験室に加え、展示や販売、交流機能を備えた総敷地面積約1万6千平方メートル、総事業費約18億6千万円の拠点施設を想定。2017年度半ばからの運営開始を目指して作業を進める。
 構想・計画案は、国伝統工芸品に指定された知花花織を中核とする工芸産業の拠点化を目指し、同市知花の知花ゴルフ場跡地など計3カ所を候補地として挙げる。14年度中に候補地を選定する。
 知花花織の生産体制の強化や織り手の育成を図るため、現作業所よりも拡充した花織作業所を施設内に設置する。貸し工房も整備して、多様な工芸作家の誘致を図る。県内最大規模となる工芸体験室では、知花花織や紅型、木工、陶器など多様なプログラムを提供して、観光の誘客や学校教育での活用を促す。
 そのほか、市内の工芸品を一堂に集めた工芸ショップを設置。工芸品を利用した室内インテリア・雑貨を楽しめる交流サロンや展示ギャラリーを併設して、販売促進につなげる。施設中央には、交流広場の「ナー」(中庭)を整備して、工芸イベントの開催や交流拠点づくりに生かす。
 施設運営は指定管理者制度を想定する。管理者と生産者の連携を促して、戦略的な商品開発、販路拡大を図るため統括責任者の設置も検討する。
 基本構想・計画案は市商工振興課の窓口で閲覧できる。11月20日までパブリックコメント(意見公募)を受け付ける。同案は市民意見を踏まえて、11月中に最終決定する。問い合わせは同課(電話)098(929)3300。(宮城征彦)