10年ぶりの上演盛況 南城市大里「大城大軍」


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10年ぶりの上演となる「大城大軍」を演じる区民=20日、南城市の大城集落センター

 【南城】南城市大里字大城区独自の村芝居として戦前から上演されてきた組踊「大城大軍」が20日、10年ぶりに上演された。

上演された同市大里集落センターには、区内外から多くの人が訪れ、10年に1度しか見られない組踊を堪能した。
 大城大軍は大城を舞台にした組踊。1946年まで毎年上演されていたが、戦後の混乱などもあり、途絶えていた。台本が見つかったことをきっかけに、人間国宝として知られる宮城能鳳氏の指導を受け、89年に復活した。その後、数回上演されている。
 島添大里按司と戦って敗れた大城按司の子・若按司が、佐敷按司の協力を得て島添大里按司を倒すあだ討ちの物語となっている。
 出演者は全て区民で、ことし5月から練習を重ねてきた。本番では、区民の熱演に拍手や指笛が送られた。上演後、同文化保存委員会の島袋健会長は「大城区には多くの文化、芸能がある。これからも区民とともに伝統芸能を守っていきたい」と話した。
 同区では組踊と大綱引きを5年おきに交互に実施していく予定。