自治への自覚、団結を 沖縄独立で海外識者議論


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沖縄の「独立」について討論するパネリストら=27日、那覇市の沖縄大学

 沖縄の自己決定権行使に向けて学術的に「独立」を議論する「琉球民族独立総合研究学会」の第1回研究大会シンポジウムが27日、那覇市の沖縄大学で開催され、市民ら約150人が参加した。

「グアム・台湾・パラオから考える琉球独立」を主題に、パネリスト3人が世界の「独立」に関する動きや現状について報告した。
 国立東華大学講師のサキヌ・テピク氏は、台湾原住民族の「民族自覚運動」により、2005年に原住民族の基本権利の保障をうたう「原住民族基本法」が台湾立法院で制定されたことを紹介した。同法により、先住民族が望まないリゾートホテル建設を差し止めた事例などを報告し「原住民族として自治を行うという自覚を持ち、団結することが重要だ」と訴えた。
 龍谷大学の松島泰勝教授は、米国を施政国とする国連信託統治から1994年に独立を果たしたパラオ共和国の歴史と現在の状況を説明した。「パラオは独立して以降、大きな経済的問題はなく、国家主権を行使した外交や国内政策を展開している。人口2万人のパラオに学ぶことで、琉球も独立した国を自分たちで造ることが可能になる」と提起した。
 グアム政府脱植民地化委員会のエドワード・アルバレス事務局長は「現在、世界の17地域が国連の『非自治地域リスト』に登録されている。沖縄をリストに登録することで、植民地状態に置かれている現状を国連に注目させ、沖縄の自治権獲得を世界に訴え掛ける戦略がある」と強調した。