楽譜本来の音、聞かせる 沖縄交響楽団


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巧みな独奏でオーケストラとの掛け合いを聞かせる川上一道=27日、沖縄市民会館

 沖縄交響楽団(宮城茂光団長)の第57回定期演奏会(指揮・大勝秀也)が27日、沖縄市民会館であった。

モーツァルト「クラリネット協奏曲」で県出身の川上一道(山形交響楽団首席クラリネット奏者)が、通常より3度低い最低音を出せるバセットクラリネットを用い、巧みな独奏を聞かせた。
 同協奏曲はモーツァルトがバセットクラリネットを使っていたアントン・シュタードラーのために書いた曲。川上は作曲時の本来の楽譜に限りなく近い音色で聞かせた。第2楽章は静かで美しい旋律が際立ち、第3楽章はオーケストラと変化に富んだ掛け合いを描き出して幕を下ろす。
 川上は鳴りやまない拍手に応えて「芭蕉布」も演奏し、さらに喝采を浴びた。
 チェコの自然や人々の素朴な営みの豊かさを描いたドボルザークの交響曲第8番、オットー・ニコライの代表曲「ウインザーの陽気な女房たち」も演奏した。