施設 当事者視点で ワンストップ支援センター


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県環境生活部の大城玲子統括監(右端)に、1万人余の署名を手渡す田中真生さん(左から2人目)=28日、県庁

 性暴力被害者を1カ所で支援する公的機関の設置を求めている「『ワンストップ支援センター』設立を強く望む会」の代表らは28日、県庁を訪れ、センター設立を望む1万623人分の署名を提出した。

県は来年度のセンター開設に向け検討会議を重ねているが、性暴力被害者当事者の意向を反映させる仕組みはまだ見えない。署名は「当事者の視点に立って支援すること」などの要望を明記しており、望む会の代表らは被害者の立場に立った支援の仕組みを盛り込むようあらためて要請した。
 県は来月上旬の最終会議でセンターの在り方について方針案を決める。今回の署名提出による要請は、それに向け、当事者に寄り添った支援が得られる仕組みを実現するよう“念を押す”形になった。
 望む会共同代表の田中真生さんと金城葉子さんは、県も「目指す方向性は同じ」とした上で「県主導のワンストップ支援センターは他県には例がない。主役となるのは被害に遭った当事者だ。当事者の立場に立ったいい支援センターになるよう期待している」と要望した。
 望む会の両共同代表は検討会議に1度、外部識者として意見聴取のため出席したことはあるものの、委員のメンバーに入っていない。委員は県職員、警察、県医師会、被害者支援団体代表など13人で構成している。
 署名の陳情内容は、24時間・365日体制のホットラインの設置や、公費での運営、総合病院内への設置などとなっている。
 これに対し大城玲子県環境生活部統括監は「病院拠点型のワンストップ支援センターを考えているが、受け皿となる病院の確保や産婦人科医の不足など課題は多くある。1万人余の署名は重く受け止め、委員にも伝えたい」と述べた。
 県は最終会議で決めた方針を基に、来年2月の県議会で予算案を提出する予定だ。来年4月から支援員養成講座をスタートする考えで、準備期間を経て2014年度中の開設を目指している。(知花亜美)