古里伊是名に感謝込め 米須好子、50年の集大成披露


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「菅撹変奏曲」を演奏する米須好子(最前列)ら=20日、那覇市民会館

 県指定無形文化財「沖縄伝統音楽箏曲」保持者・米須好子(琉球箏曲興陽会、八重山古典民謡箏曲保存会師範)の芸歴50周年記念公演「玉の箏 瑞雲にのせて」が20日、那覇市民会館で開かれた。

芸道の集大成となる琉球古典音楽や八重山古典民謡、創作の17演目を披露。創作は古里伊是名島への思いを込めた。賛助出演は12団体に上り、米須の幅広い活動を物語った。
 米須は「仲風節 二揚下出し」などの独唱で、故又吉米子師に「うりが歌んかいふりてよー」と言わしめた情けのある歌を聞かせた。「とぅばらーま節」独唱では、郷愁を誘う米須の歌と、宮良康正の優しい囃子が響き合う。「母の歌声や 我肝ゆ染めて 箏のみち照らす 手本なとさ」という詞が、観客を温かな気持ちにさせた。
 創作舞踊「真紅(まっか)なデイゴ」(米須盛祐作詞、普久原恒勇作曲、真境名あき振付)は、沖縄のおおらかさを感じさせる旋律が印象的だった。フィナーレは本公演のために書き下ろした「伊是名島讃歌」(米須好子作詞、與那覇徹作曲)。喜舎場盛勝の演出で、波の音を東南アジアの楽器で表現した。與那覇、米須と歌い継ぎ、高らかに斉唱する。島にまつわる尚円王や「通水節(かいみじぶし)」に触れながら、「我した生まり島」への畏敬の念、感謝の思いを歌い上げた。