1.6~1.8万年前地層から頭骨 竿根田原洞穴遺跡


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人の頭骨が発見された白保竿根田原洞穴遺跡

 【石垣】石垣市の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴遺跡で1万6千~1万8千年前の地層から人の頭骨が見つかった。県埋蔵文化財センターが7日から行っている重要遺跡確認調査で発見した。

 これまでの調査で上顎や後頭部の骨が見つかっており、残りの部分が見つかれば、当時の人の顔を知る手掛かりとなりそうだ。
 骨にはDNAが残存している可能性があり、県埋蔵文化財センターは有機成分が分解しないよう急いで回収、保存し、慎重に分析する予定だ。
 頭骨は土の重みで割れた状態で見つかった。上顎の骨とは約30センチの距離にあり、同一個体の可能性があるという。約1万8千年前の港川人と年代が重なることから、同センターは「比較資料としても価値がある」としている。
 同遺跡ではこれまでに、年代が特定できたものでは国内最古となる2万4千年前の人骨も見つかっている。今後も重要遺跡確認調査を進め、国や石垣市と連携して史跡指定を目指す。
 同センターは11月30日に現地説明会、12月1日に石垣市内で講演会を開き、調査結果を報告する。