石垣市教委が続投容認 市議会不信任の玉津教育長


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 【石垣】石垣市教育委員会(高木健委員長)は31日、定例会を開き、「平和教育の弊害は嫌悪感から派生する思考停止」と述べたことなどで市議会から不信任決議を受けた玉津博克教育長の進退について、意見交換した。

市議会での発言について「誤解を招く」と反省を促す意見もあったが、合議の結果、「関係法令に触れていないので辞任することはない」との結論を出し、続投を容認した。
 定例会には高木委員長、玉津教育長を含む5人の委員が参加した。市民約20人が傍聴し、議論を見守った。
 玉津教育長は発言について「学校現場や戦争体験者、語り部を冒涜(ぼうとく)する気持ちは毛頭ないことを分かってほしい」と釈明した。さらに「慎重に慎重を重ねた対応、発言が足りなかった。今後は誤解のないようにすると同時に、学力向上に取り組む」と説明した。
 徳松節子委員は「重責ある教育長を不信任とするほどの発言なのか」と擁護した。仲山久紀委員は「言葉の選択に誤りがあったかもしれない」と指摘しながらも、「(教育長が)さまざまな平和活動をしているのに、メディアで批判されるのはいかがなものか」と話した。
 学校長経験者の石垣朝子委員は「発言を聞いたときは戸惑い、違和感があった。学校現場は毎年のように平和教育の年間計画を立て、指導、改善、工夫を重ねていて、思考停止には当たらない」と指摘。「戦争を憎みこそすれ、平和を否定するものではないと信じている。反省すべきことは反省し、真摯(しんし)に説明する努力も必要だ」と苦言を呈した。