米軍ヘリ、訓練中にカメラ落下 中部訓練場内か


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機体に取り付けられたカメラが落下した嘉手納基地所属・HH60救難ヘリの同型機=8月、宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン

 米空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターに取り付けられたカメラが、訓練飛行中に落下していたことが1日、明らかになった。同基地によると、10月29日に飛行した際に落ちたとみられ、着陸後にカメラの紛失に気付いたという。

HH60ヘリは8月5日に宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落、兵士1人が死亡する事故を起こしたが、米軍は原因を公表しないまま飛行を再開している。相次ぐトラブルに県は原因の徹底究明を求めている。
 米空軍嘉手納基地によると、ヘリは10月29日午後3時38分に同基地を離陸し、午後6時に基地に戻った。同基地を離陸した後、うるま市具志川を通過し、海上から中部訓練場に入って訓練した。
 落下したカメラは一般に広く流通している小型のムービーカメラで、縦約5センチ、高さ約6センチ、幅約9センチ、重さ約500グラム。米軍はカメラを取り付けた理由を明らかにしていない。沖縄防衛局が10月30日に県や関係市町村に通知した。
 嘉手納基地は琉球新報の取材に対して「中部訓練場や海上で落下した可能性が高い」との見解を示し、「飛行中隊の航空機にカメラを付けることはまれで、今後はカメラを機体に安全に付けることを保証する」と述べた。
 ことし2月に普天間飛行場所属のMV22オスプレイから兵士の水ボトルが落下したほか、4月にはAH1ヘリから燃料キャップが落下するなど、米軍航空機からの落下物事故が相次いでいる。
 県は1日、嘉手納基地と沖縄防衛局に対して再発防止と原因究明、安全管理の徹底を申し入れた。又吉進知事公室長は「8月に起きた墜落の原因も不明なまま、物が落下したことは極めて遺憾で、一歩間違えば重大な事故につながる可能性もある」と指摘した。