難病 絵でリハビリ 砂川泰彦さん 宮古で初の作品展


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展示作品のそばでほほ笑む砂川泰彦さん=10月28日、宮古島市役所平良庁舎

 【宮古島】神経系難病を患いながらも、趣味の絵を生きがいに描き続ける人がいる。多系統萎縮症を患う砂川泰彦さん(56)=宮古島市=は、独学で動物や風景画を描き続けて2年。10月28日からの作品展に初めて出展するなど活動を広げている。「絵を描くことが楽しく、毎日安定している」と毎日キャンバスに向かう。

 小さいころから体を動かすことが好きで、毎日のように走っていたという砂川さん。7年ほど前から右の手足の動きに違和感を覚えるなど症状が出始めた。2年前には歩けないほどに症状が進行。沖縄本島の病院に入院し、多系統萎縮症と診断された。
 「診断された時は死も考えた」。だが、入院中のリハビリで描いた絵が好評になったことをきっかけに、本格的に絵を描くようになった。退院後も描いた絵を知人に贈り、喜ばれたことを励みに絵を描き続けている。
 多系統萎縮症は病気の進行が早いとされるが「退院以降、症状が悪くなった気がしない。今では病気に感謝している部分もある」と語る。宮古島市役所平良庁舎で28日から5日間開かれた作品展示会には46点を展示。自ら会場に足を運び、観覧客に説明していた。
 全国パーキンソン病友の会沖縄支部の又吉朝子事務局長は「神経系難病患者は転ぶことも多く、周りに知られたくないなどの理由から家に閉じこもりがち。自分の趣味を生かして輝くリハビリは貴重だ」と語った。
 砂川さんは「今度は他の患者とも一緒にできたらうれしい」と前を見据えた。