米誌、海兵隊の姿勢批判 オスプレイ「信頼を偽造」


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)は10月31日付で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて「海兵隊は信頼性の記録を偽造しているのか」と批判する記事を掲載した。

6月に米ノースカロライナ州で起きた事故について海兵隊が「軽微な損傷」と発表したのに対し、海軍安全センターが機体は全損したと認定していたことなどを挙げており、オスプレイの安全性に対し米本国でも根強い不信があることを示した形だ。
 フォーリン・ポリシーは8月にも米ネバダ州で機体が大破した「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」事故が起きたことも報告。2008年10月~11年9月の海兵隊のオスプレイ整備から記録や整備指示のミスが多数見つかったことに対し、国防総省監査室が「任務遂行に十分な状態でないまま機体を配備していた可能性がある」と指摘したことも紹介した。
 その上で「この航空機は戦場で多くの成功を収めたが、海兵隊は安全性や信頼性の記録に対する疑念に対し、依然として守勢に立っている」と結論付けた。
 昨年8月に沖縄を訪れたエイモス海兵隊総司令官が米軍放送で「海兵隊は過去10年でオスプレイの致命的な事故を回避してきた」と機体の安全性を強調したこにも言及。同年4月にはモロッコで墜落事故があり、10年には空軍のオスプレイがアフガニスタンで墜落したことなどの事故履歴を挙げ、エイモス氏の説明は「誤解を招き、失礼だと批判された」と述べている。