ダンプ運転手、運搬単価上げ求めて採石場前でストライキ


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運搬単価の引き上げを求めてシュプレヒコールを上げる沖縄ダンプ協議会のメンバーら=4日午前7時すぎ、名護市安和(画像を一部修正しています)

 生コンの材料となる砂利などを積むダンプカーの過積載が社会問題になっている中、県内のダンプカー運転手でつくる全日本建設交運一般労働組合(建交労)沖縄ダンプ協議会は4日、名護市安和の採石場前で、運搬単価の引き上げなどを求めるストライキを開始した。

運転手らは8日まで24時間態勢で、座り込みを続ける予定。ダンプ協議会が単価の引き上げを求めてストを実施するのは初めて。
 ストに参加したのは、8月末から定量積みを徹底している生コン会社と契約を結ぶ運転手ら約30人で、「単価が上がらない状況では生活ができない」と訴えている。運転手歴約5年の40代男性は「定量積みになり、収入が激減した。この状況が続くと破産するしかない。どうにか運搬単価を上げてほしい」と話した。
 定量積みを徹底する同社役員は県生コンクリート協同組合(生コン組合)に加盟していない業者との価格競争により「販売価格を上げられないため運搬単価も上げられない。われわれも経営が厳しい」と理解を求めた。打開策として「非加盟の業者に組合に加入するよう交渉している。他社との競合が解消されない限り、単価の引き上げは難しい」とした。
 ダンプ協議会などによると、生コン業者から運転手に支払われる運搬単価は資材1トン当たり約千円で、沖縄の日本復帰後からほとんど上がっていない。一方、タイヤなどの部品代や燃料費などが高騰しており、運転手の収入は減少傾向が続いている。
 ダンプ協議会の東江勇議長は「過積載問題が解決しない根底には運搬単価がある。生コン組合は我慢してくれと言うが、運転手の現状を考えると持ちこたえられない。早急に単価を改善してほしい」と話した。