「海洋技術科」存続を 沖水OB会、県に要請


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沖水の学科再編計画などに反対する「開洋・翔洋同窓会」と話し合う諸見里明県教育長(右から4人目)=10月24日、県教育庁

 【糸満】沖縄水産高校(川満雅夫校長)のOBらでつくる「開洋・翔洋同窓会」(高山朝夫会長)は10月24日、県教育庁の諸見里明教育長を訪ね、再編が計画される同校「海洋技術科」の存続と、生徒らが授業で使用する実習船の小型化を中止するよう求めた。

 同校本科は現在「総合学科」と「海洋技術科」の二つに分かれるが、学校は2015年度から両科の再編を計画している。総合学科内の海洋生物系列やマリンスポーツ系列など、水産業に関するカリキュラムと海洋技術科を統合して新たに「海洋科」を設置する計画だ。
 同会は、諸見里教育長に船員が不足している現状などを説明した。「離島を抱える沖縄で、船員教育と水産教育を担っているのは沖水だ。科がなくなると離島振興に支障を来す」と懸念を示し、再編に反対した。
 さらに、3月に廃船となった19トン級の実習船「かりゆし」の代替船が7トン級になることを受け、「小型化すると欠航が多くなり、授業機会が少なくなる」と主張。これまでと同様の19トン級の船の導入を求めた。県内外から集めた1万7632人分の署名を手渡した。
 諸見里教育長は「科をなくすのでなく、むしろ(水産教育を)強化する方針と聞いている」と話し、学校に事情を聴く考えを示した。
 川満校長は本紙の取材に「名称が変わるだけで廃科には全く当てはまらない。水産教育を強くするために水産に関するカリキュラムを一つにまとめる再編計画だ」と説明した。