多様な5作品上演 シアターテンカンパニー


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暗い過去を思い出す(右から)ツンコ、オチョビ、バツミ=10月31日、那覇市のシアターテン

 劇団「シアターテンカンパニー(仮称)」(田原雅之代表)は10月25日から11月3日まで、那覇市のシアターテンで「シアターテンフェスティバル」を開催した。

 他劇団の役者や高校生、ワークショップに参加した市民も出演し、バラエティーに富んだ5作品を上演した。31日の「片づけたい女たち」(永井愛脚本、田原演出)を見た。
 オチョビ(大山瑠紗)とバツミ(宮城愛未)は、幼なじみのツンコ(川満彩杏(あい))を訪ねる。ごみに埋もれた部屋で暮らすツンコに驚く2人。女たちは片付けを始める。たあいのない会話を交わすうちに50年余の半生を振り返り、互いの心の闇をのぞく。
 人生に意味はあったのかと自問する3人に、観客は自らを重ねる。人間の弱さを突き付けられた後に、弱さゆえのいとおしさが込み上げてきた。役者は20代だったが50代女性の雰囲気を出していた。
 フェスティバルは、2000年のシアターテン開設からえとが一巡したことを機に催された。そのほか「見知らぬ乗客たち」(辻野正樹脚本、嘉手納良智演出)、「リチャード三世」(シェイクスピア原作、國仲正也演出)、ワークショップ成果発表公演「ブラッディ・マリー」(柚子脚本、嘉手納演出)、向陽高校、普天間高校演劇部の作品を上演した。