少人数の良さ生かし へき地教育研究島尻大会、渡嘉敷で開催


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複式学級の公開授業を見学する参加者=1日、渡嘉敷小中学校

 【渡嘉敷】ふるさとでの学びを生かし、新しい時代を築く心豊かな子どもの育成~を研究主題に、第46回県へき地教育研究大会島尻大会(主催・県教育委員会、県へき地教育研究連盟)が渡嘉敷村で10月31日から2日間、204人の教職員らが参加して開催された。

島尻大会は6年ぶりで渡嘉敷村単独開催は初。へき地小規模校・複式学級の特性を生かした授業実践、学校・学校経営・学習指導の充実・深化について、研究実践が発表された。
 渡嘉敷村中央公民館での全体会では、アトラクションとして渡嘉敷中学校全生徒による風神太鼓が披露された。
 諸見里明県教育長は全体会で「本県の公立小・中学校の約35%がへき地指定校。その教育を充実させることは本県教育の重要な課題の一つ」と強調。さらに「本県のへき地校においては、少人数のよさを生かした児童生徒へのきめ細かな学習指導がなされ、豊かな自然との触れ合いや伝統行事への参加を通して心豊かな児童生徒の育成を図るための特色ある取り組みが行われている」とへき地の優位性を挙げ、その成果が内外の関係機関に広く発信されることを期待した。
 また、へき地教育研究連盟の兼島景秀会長は「へき地校の教職員には、へき地教育の良さを実感し、自信と誇りを持って、教育実践に向かう取組みを期待する」とあいさつした。
 分散会の初日に発表した久高小中校の吉田順太教諭は「島と密着した体験活動や外部から島の素晴らしさを気付かせることで、貴重な自然や伝統および人とのつながりなど島の良さを再認識し誇りを抱かせることができた」と成果を挙げた。一方、体験活動以外にも、教科指導および教育活動全般を通して“ふるさとを愛する””子どもたちの自信や誇りを持たせる”学習活動を継続的に取り入れていきたい」と課題にした。(米田英明通信員)