病気の知識蓄えて 糖尿病テーマに健康講座


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糖尿病をテーマにした県民公開講座で、闘病体験を語る真境名恭子さん(右)と主治医の池間朋己医師=9日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟

 糖尿病をテーマにした「県民公開講座 楽しく予防!楽しく療養!」(日本糖尿病学会九州地方会主催)が9日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で約400人が参加し開かれた。糖尿病を患う4人が闘病体験を報告し、病気の知識を蓄えて病と向き合うことの大切さや、ボランティア、芸術活動など日常生活の中から、病気になっても豊かに暮らせるヒントを提案。日本健康運動指導士会県支部の会員が糖尿病の予防に役立つ体操を披露し、参加者が一緒に体を動かした。

 闘病中の真境名恭子さん(72)=宜野湾市=は、糖尿病になる前は「友人との模合が月5回あり、ランチバイキングを楽しんでいた」と振り返る。2006年に体調を崩した後は模合をやめ、食事を改善し、体操に励んでいると報告。「ボランティア活動、芸能活動で能力を発揮したい」と笑顔で語った。
 糖尿病から網膜症、腎不全を合併した新里幸子さん(50)=浦添市=は「自分に存在意義があるのかとマイナスな気持ちになった時期があった」という。落ち込む日々だったが、血糖値の高さが体調に及ぼす影響など病気の知識を蓄えることで「脳が活性化し、食べ物の好みも変わった」と実感を込めた。気持ちを立て直す方法として、衣装の制作など芸術活動を紹介した。
 「糖尿病に役立つアンチエイジングクッキング」をテーマに講演した京都老舗料亭・菊の井常務の堀知佐子さんは、栄養を豊富に摂取できる食材の組み合わせを紹介した。「豚のあばらの肉や骨付き鶏肉を酢と煮込んで、煮汁も一緒に食べるとカルシウムがより効果的に摂取できる」と助言した。