最先端の技術応用、琉球国之図で講演 フロア展あすまで


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「最先端の地図をつくった琉球人」をテーマにした講演会=9日、那覇市奥武山町の県立武道館

 6日に始まった「琉球国之図と完全復元伊能図フロア展」(主催・琉球新報社、共催・完全復元伊能図全国巡回フロア展中央実行委員会ほか)の一環で、「最先端の地図をつくった琉球人」をテーマにした講演会が9日、那覇市奥武山町の県立武道館で開かれた。

県立博物館・美術館の安里進館長が琉球国之図作成の技術の高さなどを紹介した。フロア展は11日まで。
 安里氏は1796年に完成した琉球国之図が、現在の地図と比較してもほとんど誤差のない、精度の高い地図であることを説明。37~50年に作られ琉球国之図の基礎になった「間切島針図」(現在の市町村地図に相当)に、フランスで考案された当時最先端の測量技術が応用されていたことが理由だと述べた。
 最先端の技術は中国を介して沖縄に伝えられ、琉球王府は国家プロジェクトとして全土の測量を実施したという。安里氏は「当時の琉球王府は、日本が鎖国している時代に中国と交易し、最先端の技術を用いて地図の作製に取り組んだ。尊敬の念を感じる」と話した。