ベトナム戦争で枯れ葉剤に接触した退役軍人を父に持つ「枯れ葉剤被害者」2世で、生まれつき右足膝下と左足つま先、両手の指に欠損があるヘザー・バウザーさんが11日、那覇市泉崎の県議会会議室で講演した。
沖縄市のサッカー場で見つかったドラム缶からダイオキシン類が検出されたことに触れ、退職者をも含む基地の従業員や基地周辺住民の健康を調査する必要性を訴えた。パネル討議で、フリージャーナリストのジョン・ミッチェルさんは、退役軍人らへの取材から県内の少なくとも15基地で除草剤が使われていたと証言した。
バウザーさんは「問題を見過ごすと米政府の共犯者になると思わなくてはならない。県民が行動しないと何も変わらない」と強調。ベトナム帰還兵に、がんや虚血性心疾患、パーキンソン病など特定の病気が多く見られることを説明し、県内でも特定の地域や年代で多く発生していれば、枯れ葉剤使用や貯蔵を証明する手掛かりになると指摘した。
米政府が枯れ葉剤を使っていないと主張していることに「主張が変わるのを待つなら、永続的に一時被ばく者が出る」と警鐘を鳴らし、被ばくした可能性がある人がいつでも相談できる窓口の設置や、医療機関との連携などを提案した。
ミッチェルさんはパネル討議で「米国防総省は常に事実を隠蔽(いんぺい)している。真実を伝えないといけない。基地の汚染は沖縄の人々への犯罪行為だ」と批判した。
英文へ→Agent Orange second-generation victim urges Okinawa to conduct health survey