那覇議会傍聴者 伸び悩み 市議ら駐車料金高額を指摘


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那覇市議会の傍聴席。議場は4階。親子席は5階から入れる=7日、那覇市役所

 議会改革を進める那覇市議会(安慶田光男議長)は市民に傍聴を呼び掛けているが、傍聴者数が伸び悩んでいる。2012年12月に落成した新議場は傍聴席が7席増え102席となったが、13年9月定例会の傍聴者は176人となり、落成前の12年9月定例会に比べ30人減った。

市役所新庁舎の駐車場料金も長時間傍聴する人向けに設定されていないため、市民は高額の支払いを余儀なくされている。駐車代2500円を支払った市民もおり、議員からは「傍聴に来なくなる」と料金見直しを訴える声も上がっている。
 新議場は通常の傍聴席以外に「親子席」や「車いす席」を設けるなど、多くの市民に開かれた議会を目指している。しかし、新庁舎になった13年2月議会以降も大きな増減はない。
 12年12月議会で制定した議会基本条例10条では「多くの市民が議会および市政に関心を持つよう広報広聴活動の充実を図る」とうたっている。だが傍聴に訪れた人が市役所の駐車場に駐車した場合、1時間で100円、以降30分ごとに300円が加算される。代表質問、一般質問は午前10時~午後4時ごろまで行われることもあり、5時間駐車した場合、駐車料金は2500円になる。
 市民課など一般の行政窓口の手続きでは、行政側の責任で1時間を超過した場合、1時間以降の駐車料金は免除になる。市管財課は「議会傍聴は料金超過の免除要件には当たらない。公共交通を利用してほしい」としている。市議の坂井浩二氏(無所属)は「自分のまちがどうなっているか傍聴しに来た市民に対し、駐車場代100円までは理解できるが、それ以上の請求はおかしい。変えていくべきだ」と訴えた。
 議会を実際に傍聴した市民の中には新たな発見の声も出てくる。字小禄婦人部会(松川登志子会長)は9月、35人で新庁舎を見学しながら地元出身議員の質問時間に合わせて議会を傍聴した。松川会長は「初めて議会に来た会員も多かった。分かりやすくできていて『私たちの1票がこうして生かされているのか』と感動していた」と新しい議場を新鮮に感じた様子だった。議会は一般傍聴以外にも、ホームページでのインターネット生中継や、質疑の録画映像が見られる。