くじで廃棄物最終処分場地決定へ 本島南部6市町村


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 【南部】本島南部6市町でつくるサザンクリーンセンター推進協議会(サザン協、会長・古謝景春南城市長)が、2033年度に供用開始を予定する一般廃棄物最終処分場の建設地を、くじ引きで決めることが12日、分かった。

同協議会で設定した決定期限の12月3日までに住民の合意を得る見込みが立っていないことが理由。行政学の専門家は、地域の重要な課題を決定する手法として「合理的かどうか疑問だ」と指摘している。
 サザン協は南城市、糸満市、豊見城市、八重瀬町、与那原町、西原町の6市町で構成。最終処分場の建設場所を模索してきた。その結果、18年度の供用開始を予定する処分場については南城市に建設することを昨年12月に決めた。
 だが、その次の建設地が決まる見込みがないため、南城市を除く2~6番目の建設地をくじ引きで決めることを12日に確認した。15日の理事会で約80年後までの建設地を決める予定だ。
 南城市に続く建設地については、くじ引きの際、糸満市、与那原町には既にごみ処理施設があることを考慮し、豊見城市、八重瀬町、西原町がくじを引くことになっている。
 会長の古謝南城市長は「残念だが、この1年で住民合意が得られなかった。公平公正を期するため、くじ引きにした」と繰り返した。
 沖縄国際大学の照屋寛之教授(行政学)は「行政のやり方として、くじ引きで(順番を)決める手法は合理的かどうか疑問だ。苦肉の策だろうが、もっと議論して合理的に順番を決めるべきでないか」と指摘した。(大城徹郎)