豊見城ひき逃げ 米兵、容疑認める 県警が任意で聴取


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 11月30日に豊見城市で発生したひき逃げ事件で、県警が同日、運転手とみられる米海兵隊2等軍曹(29)=米軍キャンプ・シュワブ所属=を出頭させるよう捜査協力を要求したことに対し米軍は2日、要求に応じた。同日、県警は2等軍曹を任意で事情聴取した。

県警によると、軍曹はひき逃げについては認めているものの事件前の飲酒については認めていない。ただ、米軍の憲兵隊が軍曹を基地内で拘束する際に実施した飲酒検知の結果、呼気からアルコールが検知された。
 軍曹は現在、基地内で禁足下に置かれているという。
 県警は2日、2等軍曹を容疑者と断定し、3日も引き続き任意で事情を聴く予定で、ひき逃げなどの容疑が固まり次第、道交法違反(事故不申告・救護義務違反)と自動車運転過失傷害容疑で、書類送検するとみられる。飲酒についても調べを進める方針。
 日米地位協定では、米軍関係者の身柄が米側にある場合、日本側が起訴するまで米側が身柄を拘束すると定められているため県警は原則逮捕権を行使できず、任意での捜査を余儀なくされる。今回も県警は逮捕権を行使できないため、米軍に2等軍曹の出頭を求めていた。
 1995年の少女乱暴事件を機に「運用改善」によって、殺人や女性暴行など「凶悪犯罪」の場合は米側の「好意的配慮」により、起訴前の身柄引き渡しが可能となったが、米側に裁量権があるため、事件・事故のたびに捜査が難航する場面が多い。
 今回も米軍の憲兵隊が身柄を拘束したため任意捜査を余儀なくされている。