ボクシングの第50回県高校選手権大会(主催・県ボクシング連盟、共催・県高校体育連盟、琉球新報社)最終日は22日、沖縄水産高校で各階級の決勝を行った。ライトウエルター級は平仲信裕(南部農林)が2連覇を果たし、バンタム級優勝の比嘉大吾(宮古工)が最優秀選手に選ばれた。
◆倒せず不満 曇る表情 平仲、九州へ仕切り直し
「不細工な試合をしてしまった」―。2連覇を果たしたライトウエルター級の平仲信裕(南部農林)だったが、手放しでは喜べない内容に表情を曇らせた。
3月の春季大会で一度負けていた相手だけに覚悟はしていたが、やはり苦戦を強いられた。立ち上がりからボディーを積極的に狙うものの、逆にパンチをもらってしまう。
2回、お互い一歩も引かない打ち合いに発展した。サウスポーの相手に右ストレートを仕掛けるが、何度打っても倒れない。
それでも最終回は、しぶとく立ち続ける相手に必死でパンチを繰り出した。観客席には元世界王者の父・信明氏の姿。「父の前で負けるわけにはいかない」。猛打は徐々に相手の体力を奪い、終わってみれば2―1のポイント勝ちで接戦をものにした。
連覇の快挙にも「バランスが良くないし、序盤で様子を見過ぎていた」と息子を評する信明氏。「次は3年生。先頭に立って全国王者を目指さないと」と厳しく注文を付けた。
平仲も「良かったのは気持ちで負けなかったことだけ」と振り返る。九州新人を見据え「やるからには優勝する」と、気持ちを引き締め直した。
(仲本文子)
◆カウンター狙い 作戦通りの展開/フライ級・田上
冷静さが勝利を引き寄せた。田上慎馬(沖水)が11月の新人戦で敗れていた平田貢大(宜野座)に、決勝のリングで雪辱を果たした。普段はおっとりとした印象だが「負けたときはすごく悔しかった」と、負けん気は人一倍強い。打倒・平田を掲げ相手をビデオで研究し、打ち割りが狙い目と気付いた。もともとは自ら仕掛けるタイプだが、平田戦はカウンター狙いに切り替えた。
序盤から距離をとり、自分のペースへ持ち込む。2回は連打を浴びる場面もあったが、冷静な試合運びで最後はきっちり相手をロープへ追いやった。
念願の優勝をもぎ取った新王者は「作戦通りの試合ができた」と、いつも通りの笑顔ではにかんだ。
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