「辺野古」埋め立て結論出ず 知事、県幹部協議


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公有水面埋立法第4条1項(要約) (クリックで拡大)

 【東京】仲井真弘多知事は23日、検査入院中の東京都内の病院で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて政府が提出した埋め立て申請について當銘健一郎土木建築部長ら県幹部と約2時間協議した。

當銘部長が公有水面埋立法に基づく審査基準6項目のうち、環境保全に関する「2号」を残して事務方の審査を事実上終了したことを報告したが、可否の方向性は出なかったという。一方、政府は知事が要求した基地負担軽減策などに対する回答を25日に行う方向で調整に入った。
 協議に同席した又吉進知事公室長は終了後、記者団に「知事には早い時期に沖縄に帰っていただき、次回は沖縄で調整したい」と述べた。知事が25、26日ごろ沖縄に戻り、27日までに埋め立ての可否を表明するものとみられる。退院の見通しは24日にも発表する。
 知事との協議で當銘部長らは6項目全てに「適合」することが承認の前提となる同埋立法の基準に関する審査状況を説明した。2号「環境保全および災害防止へ十分に配慮しているか」については判断を持ち越し、それ以外の項目は「適合」と判断したとみられる。知事から特に異論はなかったという。
 當銘部長は「2号の環境保全にはジュゴン、ウミガメ、外来生物などいろいろある。今審査を進めている」と述べたが、年内には作業を終了するとした。
 一方、知事の埋め立て承認に向けて政府は、普天間の5年以内の運用停止や日米地位協定改定など、知事が17日の沖縄政策協議会で求めた要請への回答準備を進めている。又吉公室長は「首相レベルで説明してもらうことに意味がある。回答を聞いた上で、見極めたい」と述べた。
 県は政府が2014年度予算案を閣議決定する24日は、入院中の仲井真知事に代わり、川上好久副知事が関係省庁にお礼回りをする方向で調整している。