新里弥生さん(美里)教育長賞 県高校家庭クラブ研究大会


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認知症になった祖母を支える実践で県教育長賞を受賞した新里さん(中)と補助員の又吉さん(左)、屋我さん=18日、県立美里高校

 【沖縄】美里高校家庭クラブ(知名由貴顧問)で活動する新里弥生さん(16)=沖縄市=のグループが、11日に開かれた県高校家庭クラブ研究発表大会で県教育長賞(ホームプロジェクト部門)を受賞した。

認知症の祖母を支える取り組みを発表した新里さんは「おばあさんのサポートを通じて認知症のことを具体的に知ることができた。受賞はみんなの協力のおかげ」と話している。来年7月に山口県で開かれる全国大会に派遣される。
 新里さんらは「大好きなおばあちゃんへ―私ができることを考える」のテーマで発表した。ことし春、軽度の認知症を発症した78歳の祖母を支え、介護に励む母の負担を軽くするための実践をまとめた。
 薬の飲み忘れを防ぐため、日めくりのカレンダーに薬を貼り付ける「暦ぺったん作戦」や、趣味としていた手芸への興味を取り戻すようマフラーや小物入れを編むようお願いする「おねだり作戦」など、祖母を心身両面から支援する、細やかな取り組みを考え出した。
 実践を通じて新里さんは「祖母と一緒にいる時間がこれまで以上に増え、多くのコミュニケーションをとることができるようになった」などの成果を報告した。
 家庭クラブの又吉ひなりさん(16)、屋我にいなさん(17)は補助員としてスライドを作成し、新里さんの発表に協力した。2人は「新里さんの考えを表現できるよう心掛けた」と話す。
 安里辰洋校長は「祖母のより良い生活を考えた実践を皆に知ってもらうことは大切なこと。認知症について高校生が意識を持って取り組んでいることは素晴らしい」と受賞を評価している。