那覇(女子)2回戦敗退 全国高校選抜バスケ


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 第44回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)第2日は24日、東京体育館で女子の2回戦などが行われ、県代表の那覇は62―70で四日市商業(三重)に敗れ、ベスト16進出を果たせなかった。那覇は第1クオーター(Q)から激しく攻撃を仕掛け、中山美裕や金城菜子の得点で波に乗った。しかしテンポの速い攻撃を仕掛ける四日市商業を止められず、28―36とリードされて前半を終えた。第3Qも勢いを取り戻せずにリードを広げられた。第4Qに激しい守備からの攻撃で追い上げたが、あと一歩及ばなかった。大会第3日の25日は男子の2回戦などが行われ、県代表の興南が福島商業と対戦する。

▽女子2回戦
四日市商(三重)
70―62(20―19,16―9,20―13,14―21)
那覇

 【評】那覇は第1Qから中山や金城、比嘉を中心に得点を重ねたが、四日市商業も内外から得点して接戦。第2Qからミスが出始めた那覇に対し、四日市商業は好機を得点に結びつけてリードを広げた。第3Qも高さで優位に立つ四日市商業が主導権を握ったが、第4Qはオールコートで激しい守備を仕掛ける那覇が流れをつかんだ。那覇は金城の3点シュートで追い上げたが、逆転するには時間が足りなかった。(平安太一)

リバウンドが全て
 屋嘉謙呉コーチ(那覇)の話 リバウンドが全てだった。対応は練習してきたはずだったが相手が一枚上手だった。途中にイージーミスも出て、点差が近づいたときにもルーズボールを取れなかった。選手をうまく起用できなかった。力の差はなかったので、もったいないゲームだった。

◆最終Q猛追及ばず
 41―56と大幅にリードされて迎えた第4Q、那覇の猛追が始まった。守備からリズムを生み出す本来の持ち味を取り戻し、中山美裕主将や金城菜子らの得点で波に乗った。オールコートディフェンスで相手の攻撃を早い段階でつぶすことにも成功、一時は6点差まで詰め寄ったが最後は相手に振り切られた。
 第1Qは好調な滑り出しだった。中山主将が「全国の舞台に慣れていた」と語るように、コート上の選手はのびのびとプレーした。比嘉友里菜のインサイド攻撃で先制すると、中山主将は内外からリングを射抜いた。金城は「みんながつないでくれたら絶対に決める」と強い気持ちでシュートを放った。
 流れが変わったのは第2Qだった。四日市商業が素早いパスから連続得点を挙げる一方で、那覇のシュートはリングにはじかれた。最大の武器である守備を乱される場面も増えて、リバウンド争いでも後れを取った。金城は「やるべきところでディフェンスやリバウンドをできなくて流れを持って行かれた」と悔やむ。
 最終的な点差は8。金城は「手が届かない相手じゃなかった」と悔しさをにじませる。チームは2年生が中心で戦いはこれからも続く。「自分たちのバスケを常にできるようにしたい」。全国大会で多くの経験を積んだ金城は、さらなる成長を誓った。(平安太一)

◆1年生ガード 具志堅が躍動/「自分信じてプレー」
 那覇の1年生ガード、具志堅茅乃が全国の舞台で躍動した。
 屋嘉謙呉コーチから「どんどん攻めてこい」と言われてコートに送り出されると、攻守で存在感を示した。「初めての全国大会で緊張したけど自分を信じてプレーした」と試合を振り返った。
 攻撃では司令塔として仲間に指示を出し、的確なパスワークで好機をつくった。「ガードとして長い時間コートに立ったことはない」と言うが、「いつもより落ち着いてプレーできた」と手応えを感じている。
 勝利をつかむことはできず「やってはいけないミスがあった」と表情はさえない。それでも「全国大会の経験は大きかった。次は今以上のプレーをする」と気持ちは前を向いていた。

那覇―四日市商業(三重) 第1クオーター、ジャンプシュートを放つ那覇の金城菜子=24日、東京体育館(平安太一撮影)
第4クオーター、チームメートに指示を出す那覇の具志堅茅乃