119番受理を一元化 17年度、嘉手納に指令センター


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 県内の119番通報を一括して受け付け、指示を出す「県消防共同指令センター(仮称)」が嘉手納町のニライ消防本部に設置されることが、4日までに分かった。県内26消防団体(37市町村)が参加する。

2016年5月末の消防救急無線デジタル化に伴う機器更新を前に、機器の整備費や指令部の人員削減、大規模災害時の連携強化を図ることが目的。一元化を検討してきた県消防通信指令施設運営協議会(玉城則雄会長)は1月末にも参加団体と協定書を取り交わし、正式発表する。本格運用開始は17年度の予定だ。
 共同指令センターは、住民からの119番通報を一括で受理し、各消防本部に無線で出動などの指示を行う。11年7月に協議会を設立し、現場部隊を含む消防本部の広域化とは切り離して話し合いを続けてきた。
 センター整備には、独自に高度な機器を持つことや共同整備費が捻出できないなどを理由に那覇市、浦添市、沖縄市、本部町・今帰仁村消防組合(本今消防)は参加しない。那覇市と本今消防は基地局などのデジタル無線共同整備にのみ参加する。
 各市町村の消防本部には現在、計約100人が指令部要員として勤務する。センター設置後は30人程度になり、残る70人を現場要員に振り向ける計画だ。これまで指令センターがなかった離島12町村も参加するため、県全体として災害対応能力が向上することも期待されている。
 ニライ消防本部を運営し、北谷町、嘉手納町、読谷村でつくる比謝川行政事務組合(管理者・石嶺伝実読谷村長)がデジタル無線機器とセンターの整備主体となる。センター整備費は約23億円、デジタル無線は約32億円を見込む。費用は人口規模に応じて参加団体で案分する。14年度に無線の基地局整備とニライ消防本部の庁舎増設工事を開始する予定だ。
(大城和賀子)