市民目線の動画配信 那覇の若者「辺野古」抗議を全国へ


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 国による埋め立て申請を仲井真弘多知事が承認し、名護市辺野古への新基地建設計画は新たな局面に入った。県民の基地建設反対の声は一向にやまず、年末年始も那覇市寄宮の知事公舎前では抗議行動が繰り返されている。

この状況を多くの人に知ってほしいと、抗議をスマートフォン(多機能携帯電話)で撮影し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って配信する市民も現れ始めた。
 「沖縄のことを伝えたい」。大城史也さん(24)=那覇市=は知事公舎前で市民の抗議する姿を撮影し、生中継で全国配信している。4日には抗議に参加する約30人の前に立ち、マイクを握った。「参加者は少なく見えるかもしれないが、ネットで集会を見ている人もいる」と行動の意義を強調。「自然は一度壊してしまえば元には戻らない。100年後も200年後も、同じ風景が見られるのは悪くない」と訴えた。
 一田(いちだ)裕介さん(34)=那覇市=もスマートフォンで年末年始の動きを配信する。「編集もしていないので現場の空気感が伝わる。多くの一般市民が参加していることも伝えたい」。東京電力福島第1原発事故をきっかけに昨年6月、埼玉から引っ越した。9月ごろから原発問題の講演や基地問題などを配信している。かつてネットの動画配信に刺激を受け、反原発デモに参加した実体験が原動力となっている。
 先月27日の県庁包囲行動では、延べ2500人以上が視聴し、SNSの発信力を実感した。「SNSの発信力は多くの人々に何かをする動機を与えられる。僕の配信動画が誰かの行動につながればうれしい」と語った。

動画視聴者の声を知事に向け伝える大城史也さん=4日、那覇市寄宮の知事公舎前
県庁1階ロビーで開かれた抗議集会を撮影する一田裕介さん=2013年12月27日、那覇市泉崎