名護市長選立候補予定者座談会 「辺野古」で違い鮮明


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名護市長選に向け、健闘を誓い握手を交わす現職の稲嶺進氏(右)と末松文信氏=5日午後、名護市喜瀬の万国津梁館

 【名護市長選取材班】琉球新報社と沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄は5日、告示まで1週間となった名護市長選(19日投開票)への出馬を表明している現職の稲嶺進氏(68)=社民、共産、社大、生活推薦=と、新人で前県議の末松文信氏(65)=自民推薦=による座談会を名護市の万国津梁館で開いた。

最大の争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題では、稲嶺氏が強く反対する姿勢を示したのに対し、末松氏は移設推進を前面に打ち出し、争点が明確になった。
 両氏が市長選に向けて直接意見を交わすのは初めて。経済振興や雇用対策、教育・福祉政策などをめぐっても議論を戦わせた。
 移設問題で稲嶺氏は、戦後68年も県内に米軍基地が置かれている点を問題視し「子孫に負の遺産を残したくない」と新たな基地建設に強く反対した。末松氏は、過去の市長が受け入れを表明した経緯や県内の基地負担軽減などを理由に「現実的対応で辺野古に移した方がいい」と主張した。
 仲井真弘多知事が移設に向けた辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことには、末松氏が「高く評価したい」と明言し、知事の県外移設公約との整合性に関しても「辺野古移設反対を表明したことはない。公約違反とは思わない」との見方を示した。一方、稲嶺氏は「公約違反だ」と訴え、基地負担軽減策に関して「具体的なことは何一つない中で知事は承認した。後世に禍根を残す」と批判した。
 経済活性化策では稲嶺氏が移設反対で凍結された再編交付金に頼らないまちづくりの実績などをアピール。末松氏は福祉や教育、雇用などで再編交付金を活用する方針を強調した。