王国時代と今 交互に 沖縄芝居風「いめらめら」公演


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琉球王朝時代の場面を演じる仲程千秋(左)と平良進=12月24日、浦添市の国立劇場おきなわ

 演劇きかく「満福中枢」制作の沖縄芝居風現代劇「いめらめら」(宮城信行原作、犬養憲子脚色・演出)が12月24日、浦添市の国立劇場おきなわで上演された。県文化振興会の沖縄芸能マグネットコンテンツ舞台公演の一環。沖縄芝居のつらねや組踊の唱えなど伝統芸能の手法を取り入れ、夢で見る琉球王国時代の話と現代の話を交互に展開した。地謡は花城英樹、振り付けは知花小百合。

 現代に生きるまなみ(仲程千秋)は琉球王国時代の夢を見て、その内容を姉ことみ(犬養)に話す。夢の中で、まなみは士族の娘真那美(まなび)、ことみは乳母の於美登(うみと)になって現れる。2人は牧志親雲上(平良進)に思いを寄せるが、牧志は事件に巻き込まれ会うことができない。
 琉球王国時代は舞台の上手で、現代は下手で演じた。王国時代はうちなーぐちを使い、やまとぐちの字幕を表示した。だが字幕は下手に表示されたため、字幕を読みながら上手にいる役者の演技を見るのが難しかった。字幕も上手に出した方が親切ではないか。
 仲程と犬養は現代の笑いを誘うやりとりと、琉球王国時代のロマンチックな悲恋を演じ分けた。唱えや歌はもっと磨く必要があるだろう。雪に赤い照明を当てて火山の噴火を表現した場面は美しく、目を見張った。沖縄の歴史や文化に興味を抱かせる内容になっており、県内の若い世代にも見てほしいと感じた。
 劇の前には、お笑い芸人のベンビーやこきざみインディアンらも出演し、やまとぐちやうちなーやまとぐちで話芸を披露した。