野党、知事辞任要求も きょう臨時県議会


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 仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立てを承認したことを受け、県議会野党会派の請求による臨時会が9、10の両日、開かれる。9日の本会議で仲井真知事が承認理由を説明し、その後全7会派の代表が緊急質問を行う。野党は知事への辞任要求を含めた承認判断への抗議決議の提案も視野に入れている。

 緊急質問の実施は、1989年の2月定例会以来となる。議会事務局が8日に締め切った緊急質問の通告によると、与野党各会派からは「辺野古移設は事実上不可能」「県外が早い」などと繰り返してきたこれまでの仲井真知事の発言や県外移設の選挙公約と、承認判断との整合性などを問う質問が集中している。質問時間は各会派20分ずつで、答弁を含めた総質問時間は60分以内。
 野党提出の意見書は政府に宛てたものであることから、埋め立てを承認をした仲井真知事への抗議を示すための決議の提案も検討している。野党側は9日の知事の説明や緊急質問でのやり取りを見て文案調整し、抗議決議の可決を目指す。
 一方、与党の自民は普天間の早期返還を求める意見書を提案する方針だが、野党側の抗議決議には断固反対の構え。だが中立系のそうぞうが賛成に回れば、抗議決議は可決する公算だ。
 野党側は当初、10日に予定される米軍基地関係特別委員会を経て、移設断念を政府に求める意見書案を本会議で可決させる方針だったが、知事承認に明確に反対する必要があるとして、辞任要求を含めた抗議決議案の検討に入った。
 知事が9日読み上げる説明文は、昨年12月27日の会見で述べた承認表明文に判断経過などを追加。会見で名護市への言及がなかったことが批判されたことを受け、これを補足する内容になっている。
 承認の理由については公有水面埋立法の基準に適合していると説明した上で「名護市長や利害関係者から反対の意見が提出されていることを勘案しても、総合的に承認せざるを得ない」などと強調する。