【宜野湾】宜野湾市の各地域が持ち回りで公演する創作市民劇「カミアチネーの知恵」(宜野湾市教育委員会主催)の公演が23日、宜野湾市民会館であった。宇地泊区民を中心に約60人が演じた。漁村として栄えた宇地泊を舞台に、浜騒動や戦争などの歴史と重ねて地域に伝わる「チムグクル」や「命どぅ宝」を伝えた。
劇の前半は大正時代から戦前の昭和初期までを描いた。学問や出世よりも村の和合が大事にされた宇地泊で、ひそかに真志喜のタンメーに「耳学問」をし、知恵を蓄えていったナビーを中心に描いた。せりふは全てしまくとぅばで語られた。
劇の後半は沖縄戦や現代に生きる子どもたちの夢を描き、沖縄の歴史に学ぶ「知恵」の大切さを伝えた。
鑑賞した区民からは魚を売る行商「カミアチネー」の姿に昔の地元の生活を重ね「自分の物語を見ているようだった」と懐かしむ声も上がった。
宇地泊に住む祖母と一緒に鑑賞した豊川優輝君(12)=与那原小6年=は「最初の方言のところは分からなかったけど、後半は面白かった。戦争の場面などを見て昔の人は頑張ったんだ、すごいなと思った」と話した。
20年前から宇地泊に住むという金城勤子さん(60)は「地元の人が演じたのでひしひしと伝わってきた。子どもたちに、今は商業地になった宇地泊が農村だったことなどを知ってほしい」と語った。