F15きょう飛行再開 米軍、風防落下原因を公表せず


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 米空軍嘉手納基地の第18航空団は9日、F15戦闘機の飛行訓練を10日から再開すると発表した。F15は4日に操縦席を覆うカバー(風防)の落下事故を起こし、空軍は一時的に嘉手納基地所属のF15の飛行訓練を停止していたが、所属する全F15戦闘機の点検が終了し、安全性を確認できたと説明している。

事故を受けて県などが原因究明までの飛行停止を求めていたが、嘉手納基地は事故原因については明らかにしていない。
 嘉手納基地は9日、「追加的予防措置が取られ、所属の全F15戦闘機の点検が終了した。第18航空団幹部は全てのF15が安全に飛行を再開できるとの確信に至った」と発表した。詳細な調査状況は公表していない。
 事故は4日午前10時半ごろ、沖縄本島北西約130キロの東シナ海上空の米軍訓練空域で発生。F15から重さ約113~163キロ程度の風防が脱落した。事故機はその約10分後、操縦席がむき出しの状態で嘉手納基地に緊急着陸した。乗員のけがはなく、被害は確認されてない。
 事故を受けて嘉手納基地はF15の飛行を停止したが、事故翌日の5日には米本国の基地所属のF15機が嘉手納に飛来し、周辺自治体は反発を強めている。
 風防落下の原因が分からないまま飛行が再開されることについて、県の又吉進知事公室長は9日、「操縦ミスか整備のミスなのか。きちんと解明し、どう対処したのかを含めて公表しない限り納得できない」と批判。さらに「県民の不安は米軍の想像を超えている。しっかり原因を公表してほしい」と求めた。